どんな職業か
演劇、オペラ、バレエ、ショーなど様々な舞台芸術が上演されるステージを構成する舞台装置や衣装をデザインする。 舞台装置のデザインは、平面図、道具帳、書抜き、舞台の縮小模型などで表現され、これらの図面やデザイン画、あるいは模型などを作成することが主な仕事である。 衣装のデザインは、出演者一人一人の衣装(全身)のデザイン画で表現され、それに布地見本などが添えられる。衣服だけにとどまらず、アクセサリーや履き物、かぶり物などのデザイン画が要求されることもある。 ただし、装置も衣装もあくまで舞台芸術の演出効果の一部としてデザインされるため、脚本を理解し、演出家や他のスタッフとの綿密な打ち合わせを繰り返し、デザインを進める必要がある。そのため、脚本や場面構成、演出プランの変更にともなって、何度となくデザインを描き直すことも珍しくない。 舞台美術の仕事は、装置や衣装の製作発注打ち合わせと、製作現場での製品のチェック、劇場における仕込み、舞台稽古を経て、初日に至るまで続く。デザインの細部まで演出家の指示があれば修正し、完成にこぎつけることになる。 舞台装置や衣装は、舞台芸術には欠かすことのできない要素であり、デザインの良し悪しは、その舞台作品の芸術的評価を左右するため、舞台芸術において、重要な責任を担っている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 4.9 | 119 / 498 | 上位24% |
| 説明力 | 4.6 | 116 / 498 | 上位23% |
| 道具、機器、設備の選択 | 4.5 | 7 / 498 | 上位1% |
| 説得 | 4.1 | 83 / 498 | 上位17% |
| 合理的な意思決定 | 4.1 | 21 / 498 | 上位4% |
| 読解力 | 4.1 | 197 / 498 | 上位40% |
| 他者との調整 | 4.1 | 114 / 498 | 上位23% |
| 要件分析(仕様作成) | 4.0 | 40 / 498 | 上位8% |
| 指導 | 4 | 139 / 498 | 上位28% |
| 時間管理 | 3.9 | 49 / 498 | 上位10% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 芸術 | 3.2 | 7 / 508 | 上位1% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.2 | 197 / 508 | 上位39% |
| 設計 | 2.1 | 46 / 508 | 上位9% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.1 | 93 / 508 | 上位18% |
| 生産・加工 | 2.0 | 110 / 508 | 上位22% |
| 公衆安全・危機管理 | 2 | 42 / 508 | 上位8% |
| コミュニケーションとメディア | 2 | 86 / 508 | 上位17% |
| 建築・建設 | 1.9 | 40 / 508 | 上位8% |
| 機械 | 1.9 | 81 / 508 | 上位16% |
| 社会学 | 1.9 | 59 / 508 | 上位12% |
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。美術的なセンスや技術と、演劇的なセンスや知識が必要であり、現場で身につけることもできるが、実際には、美術系の大学や専門学校を出た人、演劇系の大学や専門学校を出た人が多い。 この職業を目指すには、いくつかのコースが考えられる。第1は装置や衣装は制作会社に就職し、デザイン部門に配属されるか、あるいは現場で働きながら勉強する道である。第2は劇団などの演出部や美術部に入って、演劇全般を学びつつ舞台美術スタッフを目指す道などである。第3は既に舞台美術家として活動している人に弟子入りし、アシスタントとして働きながら勉強する道である。 フリーランスとして独立するためには、修業時代に数多くの舞台の現場を経験するとともに、演出家、脚本家、俳優をはじめとした舞台芸術にかかわる人々との人脈を広げる必要がある。いずれの道を選ぶにしろ、舞台美術家として独り立ちするまでには、相当の年月がかかる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門学校卒 | 0.6 |
| 大卒 | 0.5 |
| 高卒 | 0.2 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「音楽家,舞台芸術家」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 408千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 842.3千円 |
| 平均年齢 | 38.4歳 |
| 平均勤続年数 | 11.3年 |
| 労働者数 | 2,124人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤344.8千円
- ≤383.7千円
- ≤411.3千円
- ≤449.8千円
- ≤679.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は、装置や衣装を制作する会社、劇団等である。舞台美術家のアシスタントとして働く場合もある。豊富な経験、知識や技術が必要な仕事のため、就業者の年齢層は幅広い。 雇用労働者の場合は、賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。フリーランスの舞台美術家の場合は、公演ごとの契約となる場合がほとんどである。報酬の額は公演の規模、装置・衣装の予算規模、劇場の規模などによって様々である。舞台美術家自身のキャリアや実力によっても報酬の額は変わり、収入額にかなり差がある。 舞台芸術という環境であるため、労働時間は不規則になりがちで、土日祝日に関係なく、また夜間まで働くことも珍しくない。打ち合わせ、劇場での仕込みや舞台稽古に立ち会うこともあり、1本の仕事のためにかなりの時間が必要となる。 近年、全国各地に次々とパブリックシアター(公共劇場・公共ホール)が建設され、それぞれ独自の企画による公演が行われており、新たな仕事の場の可能性が広がっている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 舞台照明スタッフ近さ 0.827
- 鉄道車両の設計・開発近さ 0.723
- テレビカメラマン近さ 0.713
- ワイン製造近さ 0.682
- 報道カメラマン近さ 0.673
- 土木施工管理技術者近さ 0.672
- 鉄道線路管理近さ 0.654
- 建築施工管理技術者近さ 0.645
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)